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ついに国産「アップルレザー」デビュー!開発背景を少しだけお話します

目次

皆さんこんにちは!LOVST TOKYO代表の唐沢です。

4月から新生活も始まって、生活に少しずつリズムも出てきた方もいるでしょうか。ポカポカした陽気にも変わってきて過ごしやすい季節ですね。

そんな中、僕たちも待望の青森県産アップルレザー「aplena(アプレナ)」の商品をリリースすることができました。いつも応援してくださり本当にありがとうございます!

これまでアップルレザー発祥の国であるイタリア産の「アップルレザー」を用いて商品開発をしてきた僕たちですが、「いつか国産のアップルレザーでも実現してほしい!」という皆様からのお声を糧に、ついに国産素材を使った商品展開に至ることができました。

そこで今日は少しだけ、国産アップルレザー「aplena」を使った商品の展開に至るまでのストーリーとその裏側もお話できればと思います。

apple leatehr

青森県庁の森さんに完成報告した時の写真。

 

出会いは偶然?必然? 日本でもジュースの絞りカスが余っている! ?

遡ること今からちょうど一年くらいになります。
青森県庁から東京に出向していた森さんという方からご連絡をいただきました。

「LOVST TOKYOさんのアップルレザー って国内でも展開できるんですかね?」

話を詳しく聞いてみると。青森県内の企業さんの中にも既にリンゴジュースの絞りかすを利用して、バイオプラスチックなどに転用している事例があるとのことでした。

また、その原料(絞りかす)を供給している青森県のJAアオレンさんは、実は日本一リンゴジュースを製造している施設で、年間に約20,000トンの原料りんごを集荷・加工しているとのことでした。 (リンゴ一個あたり250gとすると、8,000万個ってすごい量ですよね!)

 加工を待つリンゴ (撮影地:JAアオレンさん)

そして、そのうちの約6,000トンが、搾りカスなどの「残渣(ざんさ)」として排出されており、乾燥させて飼料などにも活用しているとのことでした。

乾燥後の絞りかすは天日で発酵(撮影地:JAアオレンさん)


そこで私たちも、「搾りカスの一部をバイオレザーの原料として活用させていただきたい」とお願いし、プロジェクトを進めていくことになりました。

ちなみにりんごを乾燥させる機械にも従来よりもエネルギー負荷の少ない革新的な低温プラズマ乾燥機が導入されています。

アップサイクル原料を生み出すエネルギーの点でもGoodですよね!

 

 

信頼できるメーカーさんに協力を要請。

そんなこんなで走り出した国産アップルレザーの開発プロジェクトですが、まずはバイオレザーの開発にご協力いただけるメーカーさんを見つけることからスタートしました。

私のこれまでの繋がりをつてに、私たちの想いに耳を傾けてくださったのが共和ライフテクノさんでした。

共和ライフテクノさんは、国内で合成レザーを展開するメーカーさんの中でも、非常に高品質なレザーを家具や雑貨用にブランド合皮として製造されているメーカーさんです。

また、当時は日本でも徐々に植物由来のヴィーガンレザーに関して認知は広がってきたものの、まだまだ実際に開発まで着手しているメーカーさんはいなかったように思います。

私たちはブランドとして、テクノさんは素材メーカーとして、それぞれの役割を担いながら国内バイオレザーの市場を切り開き、より多くの方へ私たちの想いを届けていきたい。そんな共創の想いで一緒にゼロから挑戦をしてくれたことに大変嬉しく思っています。

そして、共和ライフテクノさんでは更なる素材の可能性を広げるために、アップルレザーだけではなく、竹や貝を原料にしたバイオレザーも開発されています。
 (これからどんな素材が生まれてくるのでしょうか!とっても楽しみですね!)

 

テクノさん

バイオレザー開発図 (提供: 共和ライフテクノさん)

 

何が違うの国産アップルレザー「aplena」?

これまで私たちのプロダクトを手に取ってくださった方からすると、「これまでのイタリア産と何が変わったの?」という疑問を持たれるかもしれません。

端的にいうと、どちらも一般のイメージされる合皮よりは良い素材であることは間違いありません。

どちらも一般的にイメージされる合皮よりも高耐久の樹脂を用いているため、加水分解に強いですし、メーカーさんがしっかりブランド合皮として展開しています。(一般的な合皮はPU樹脂の中でも、ポリエステル系のPU樹脂を用いているのに対して、ポリカーボネート系のPU樹脂を用いることで高耐久素材になっています。この辺はまた別の記事で詳しくまとめようと思います)

なので、例えば「aplena」はジャングル試験という加水分解の試験にも10年耐え得る結果も出ているんです!

また、国内素材という面では、今より環境負荷の小さいで調達ができるので、これまでのカーボンフットプリントも理論上は小さくなると考えています。

 

まとめ

私たちがレザーブランドを運営する上でこだわりの一つが「素材」です。

これまでも透明性とクオリティを担保するために直接素材メーカーと交渉し商品開発に取り組んできました。

やはり信頼できるメーカーの上質な素材をプロダクトに反映することで、ご愛用いただいているユーザーの皆様には少しでも長く愛着を持って使っていただきたいという私たちの強い想いがあります。

今回の国産アップルレザーの展開もいちブランドとして原料の調達の部分から一緒にメーカーさんと手掛けることができたことは大変光栄なことでした!
(なかなか素材の開発からやっているブランドさんって少ないですから、私たちがここまでこだわれるのも日頃の皆様からのお声や、青森県庁さん、JAアオレンさん、共和ライフテクノさんのご協力の賜物です。いつも本当にありがとうございます!)

そして、これからもブランドを運営する上での私たちのこだわりや素材開発の面には更に磨きをかけ、いつもご愛用いただいている皆様にもっともっと喜んでいただけるように精進して参りたいと思います!

引き続きどうぞ応援のほどよろしくお願いいたします。

LOVST TOKYO 唐沢

JAアオレン

PS. 先日、JAアオレンさんのところにお邪魔しました。JAアオレンさんの皆さんも本当にいい方ばかりで青森県はのどかで最高でした。素材の原料の元になっているアオレンさんの濃縮還元のリンゴジュースは美味しすぎます!
いつかイベントなどでも皆さんにもご提供できたらと思います^^

 

\スタッフブログ気ままに運営中!/
  • KAITO | 代表取締役

    「ヴィーガン」を受け入れることができなかった自身の原体験から、LOVST TOKYO(ラヴィストトーキョー)を創業。ファッションを通して多様な価値観の浸透と畜産業由来の社会課題の解決を目指す。