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-ゆるっと雑談Vol.1「視点の違いから考えるレザー消費」

目次

今回はお客様からよくいただく質問に答えていくコーナーですね!

はい!いつもご意見をいただき嬉しい限りですね!

では早速いただいた質問について考えていきましょうか!


「牛革」副産物だからサステナブル って言うけど実際どうなの?

杏: 先日、あるお客様から 『LOVST TOKYOを知ってアップルレザーやヴィーガンレザーについて考えていると、じゃあこれまで手にとってきた「動物性のレザー」は地球環境にとって一体どうだったんだろう?って疑問を持ちました!』というお声をいただきました! 

海斗:僕たちをキカッケに考えてくださるのは本当に光栄なことですね!ここまでやってきた甲斐がありましたよ〜涙

杏:そうですね、本当に嬉しいお声です。でも、まだまだこれから!引き続き頑張っていきましょう!では、本題に戻って…まずは一般的な「レザー」の見方について確認していきますね。

 


杏:一般的に「レザー」は、食肉産業の副産物という見られ方をしていますよね。
 
海:はい!副産物であることは間違いないと思います。ただし「レザー」として生まれ変わるまでの産業構造を知らないままに消費を続けてしまうと、後々痛い目を見るのかもしれませんね…

杏:たしかにそうですね!実際、私たちがそこまで考えずに消費していたという事実から、気候変動をはじめとするさまざまな問題を引き起こしてしまっているわけですから。でもやっぱりこれからは自分の消費に責任を持つのが当たり前になってくる時代ですよね。

海:おお、心強いですね〜!やはり知っているか知らないかの違いは大きいですからね。ではではここからレザーの裏側に潜む真実について見ていきましょうか!

牛革の真実① 水の使用

杏:まずはお水に関してですね。えっ、17,128Lってすごい量ですね!お風呂85回も入れるのかぁ…

海:もちろんこれは家畜として牛さんが育てられるまでの水も含んでいますが含んでいますが、皮を柔らかく鞣す(なめす)工程にもたくさん水を使うみたいですね!

杏:お水も限られた資源ですからね。調べてみると、なんと世界の淡水量の27%が畜産に消費されてるとか!

海:世界という広い視野でみると干ばつや水不足に苦しむ人々もいる反面、僕たちのような先進国で消費する食肉のためにこれだけの水が使われているんですよね…なんだか心苦しい感じです。
 

牛革の真実② クロムなめし

 
杏:次は、先ほど海斗さんが言っていた皮を柔らかくする「なめし」って工程のことですね。たくさん薬品を使うって聞いたことがあります…!

海: はい!日本のタンナーさん(レザー加工業者)だとかなり気にして製造しているみたいなんですけど、やはり一般的に出回ってしまっている「レザー」はクロムなめしという方法が多いみたいです。

杏: そうなんですね…涙 あとは途上国での労働環境の問題も心配ですよね。よく動画でありえない色になている川や手がただれてしまっている作業員の方を見ますよね。
 
海: 悲しい現実です…素材の製造背景まではトレースできていないブランドさんは実際多いと聞いたこともあります。

ただ、レザー業界にも「レザーワーキンググループ(LWG)」のような、使用する薬剤の安全性や水処理などの環境対策を審査している環境保護団体もあるので
もし選ぶのであれば 環境保全への想いを持ったタンナーさんが手掛けているものが最良なのかもしれません。


牛革の真実③ 畜産業

 
杏:畜産業由来の環境負荷は最近だとよく知られるようなっているかもしれませんね。畜産業由来のCO2排出が、乗り物が排出している温室効果ガスと同等の排出量になっているんですよね…

海:僕も、乗り物と同じくらいって聞いた時は「えっ、ほんとにそんなに畜産業から出てるの!?」って最初は信じられなかったのを覚えています。

杏:畜産業の中でも特に「レザー」の大元になっている牛さんの飼育が環境負荷が大きいんですよね…

海:最近は、家畜の中でも環境負荷の差で食べる優先順位(鳥>豚>牛)を決める「クライマタリアン」と呼ばれるようなライフスタイルを意識して実践する人もいるようです!例えば、「ビーフカレー」と「チキンカレー」の場合はチキンカレーを選ぶそうですね!

※クライマタリアン: 「気候」を意味する「climate」と「ベジタリアン」の造語で温室効果ガスの排出がなるべく少ない食品やメニューを選んで食べる食習慣

杏:たしかにこのような選択ができる方が、環境により配慮できていて、理にかなっているように感じますね!(ちなみに私は動物性のものはいただかない選択をしているのですが… )

牛革の真実④ 森林伐採


海:最近「ヴィーガン」という言葉をよく聞くようになったけど、これから実際に「畜産業」ってどうなってくるんだろう、って思ったことはありませんか?

杏: はい。私としては、少しでも多くの動物の命が救われた方が良いと考えています!

海:それはそうなんですけど、実は人口増加に伴って「畜産業」は成長し続けてしまっているんですよ…しかも、家畜を育てるための牧草地が必要なので、森林伐採も行われているという環境にとっては非常に悪循環な産業構造だなと感じます。

杏: CO2を吸収してくれる木を切って、多くの命の犠牲と一緒にCO2の排出元をつくり出すって、すぐにでも見直していかないといけない状態ですよね。森林伐採の約70%近くが牛のための牧草地に変わっているとか…!

牛革の真実⑤ 負の産業構造


海:ちなみに「副産物」として流通しているレザーの原皮も、畜産業者にとっては収入源になっているみたいでです。

杏:ということは、レザー商品を消費することは、畜産業を間接的に後押ししてしまっていることにつながっているってことなんですかね。

海:そうですね、視点によっては賛否両論あるかなと思うところですが、俯瞰的に見るとそのような産業構造であることは間違いないと思います。

「牛革」副産物だからサステナブル って言うけど実際どうなの?まとめ 


杏:私たちなりの結論をまとめてみましたがいかがでしょうか?

海:ありがとうございます!いい感じでまとまりましたかね。
やはり産業構造まで俯瞰的に見ずに消費をしてしまうと、後々の罪悪感に繋がってしまう気がします。それは僕たちが寄り添いたい「ポジティブな罪悪感」の本質でもありますから。

杏:はい!元利主義的な発想ではなくよりリベラルで柔軟な思考でこれからも私たちなりに課題に向き合っていきたいです。

海&杏:このたびはご質問いただきありがとうございました!
また何か気になる事があれば是非私たちと一緒に考えていきましょう。SNSなどでも気軽にご質問いただければと思います!

\スタッフブログ気ままに運営中!/
  • ANNE | 広報担当

    アニマルウェルフェアに関心を持ち、ヴィーガンのライフスタイルを始めたことをきっかけに、「サステナブル」について真剣に考え始める。そんな中LOVST TOKYOに出会い、一念発起でそれまで勤めていた広告代理店を退職。現在はライフスタイルブランドのPRとして新たなフィールドで奮闘中です!

  • KAITO | 代表取締役

    「ヴィーガン」を受け入れることができなかった自身の原体験から、LOVST TOKYO(ラヴィストトーキョー)を創業。ファッションを通して多様な価値観の浸透と畜産業由来の社会課題の解決を目指す。